イラスト制作の仕事を受ける時って値段の相場っていくらなんだろう?
確かに悩みますよね。高くし過ぎても気が引けるし、安くしすぎても自分が消耗するだけですからね。
イラスト制作の値段相場を知ろう!失敗しない値段設定の方法を解説!
大抵は、クライアント側が初めに値段を提示してくる場合もありますが、その場合は提示された金額に問題がなければそのまま受けても大丈夫です。
ですが、提示された金額じゃ足りないと感じた場合は、値段交渉をするか、金額が低すぎる場合はスルーするのもありですね。
「こういったイラストを描いてほしいのですけど、いくらでできますか?」
と聞かれた際にどういった金額を提示すればいいのかを解説していきます。
イラスト制作の値段相場を知ろう
イラスト制作と言ってもバリエーションが多く、それぞれ値段を決める要素を分けると以下の4つになります。
- ①キャラクターのジャンル
- ②イラストの塗り方
- ③背景イラストの有無
- ④その他の要素
①キャラクターのジャンル
クライアントに応じてイラスト制作の内容は大きく変わってきます。
SDキャラやデフォルメされたイラストなど頭身の低いキャラクター制作や、乙女ゲームなどに使用されるイケメンのキャラクターなど頭身の高いイラスト制作などイラストレーターに求められるスキルや制作時間が大きく異なってきます。
値段の相場としては
- SDキャラ:1000円~5000円
- デフォルメキャラ:10,000円~50,000円
- 頭身が高いキャラ:50,000円~80,000円
また猫や犬、ドラゴンと言ったイラストや、ロボット系や戦車などメカニカルなイラストなどは、デザインが複雑になってくるので上記のキャラクターイラストより単価は高くなる場合が多いです。
ただ、描ける人がそもそも少ないので描けるようになってくると仕事を貰いやすくなる場合もあります。
②イラストの塗り方
イラスト制作をする上で塗り方でも値段の相場が変わってきます。
主な塗り方は以下になります。
- アニメ塗り
- ギャルゲー塗り
- 厚塗り
1.アニメ塗り
アニメ塗りは、TVアニメのような「セル塗り」に近く、ベースの彩色が他の塗りに比べシンプルであるため、グラデーションを多用する塗りと違い作業は複雑ではありません。
そのため線画の良し悪しが目立つのである程度の画力が必要になってきます。ただ、作業工数は他の塗り方に比べて少ないので、イラスト制作の相場は低い場合が殆どです。
- 相場:10,000円~20,000円
2.ギャルゲー塗り
ギャルゲー塗りは、よくギャルゲーなどで塗られている塗り方で、基本的な構造はアニメ塗りと同じですが、立体感をより自然に強調されており、描画ツールのブラシやグラデーションで仕上げる塗り方になります。この塗り方は、アニメ塗りに比べ工程が増えるため、料金・相場感もより高くなります。
私は主にこのギャルゲー塗りでイラストを描いていますね。
- 相場:30,000円~60,000円
3.厚塗り
厚塗りは、油絵などに用いられる色を重ねる描画技法のデジタルイラスト版の塗り方です。
非常に重厚な世界観でのゲームイラストの表現が可能となります。描き方に自由度が高くイラストレーターの個性が活かせる反面、その分作業時間もかかることから最も料金・相場が高くなりがちな塗り方の種類です。
- 相場:60,000円~90,000円
③背景イラストの有無
背景イラストは、そのキャラクターを含むゲームタイトルの世界観を表現する重要な要素の一つです。
一括りに背景と言っても、「室内の背景」と「室外の背景」、「人工物が多い背景」や「自然背景」など様々なシーンがあります。
同じ「街並みの背景」でも「人物目線での背景」なのか、「上空から俯瞰で見た鳥瞰図」なのか、見る視点や場所によって、描きこむ物量に大きな違いがあります。
また、キャラクター単体のみの発注と背景込みでの発注には、必然的に料金差が発生します。
値段の相場ですが、ぶっちゃけ描く内容によるので何とも言えませんが、私の場合は基本的にキャラクターの値段設定に1.5倍ぐらいの金額で受けています。
④その他の要素
上記以外に値段に関わる内容は主に以下になります。
- 多くのファンをもつ著名イラストレーターの起用
- イラスト使用期間や著作権料の有無
- 商品提供先であるゲームタイトル自体のブランド力や知名度
- 発注元企業の予算・企業規模
などですね。
イラスト制作の相場は正直ピンキリなので、安ければ1000円で依頼も来る場合もありますし、超有名なイラストレーターの場合は10万円を超えた依頼も来ることもあります。
私もいままで一番高かった依頼は1枚8万円の依頼でした。
初イラスト制作を受けた時の値段相場
私が初めて貰ったイラスト制作の依頼はこちらですね。
pixivで投稿しているのが進化前と進化後で、投稿外でエチィシーン1枚の3セットで45000円だった気がします。
始めの依頼で結構大きな額だったので喜んで受けた記憶がありますね。
進化前と進化後は、ポーズがホボ同じで衣装差分みたいな感じでエチィシーンが別イラストだったので、
- キャラクターイラスト:20,000円 × 2枚
- 進化後の差分:5000円
みたいな感じですね。
最初のイラスト制作の依頼としては良い方だと思います。
イラスト制作の値段相場を付けるコツ6選
それでは、主なイラスト制作の値段相場を付けるコツは主に以下になります。
- ①自分のつけた金額に必ずプラスする
- ②作業時間料+利用料で考える
- ③必ず税抜き価格で提示する
- ④自分の作業時間をおおまかにでも把握する
- ⑤修正時間分を最初から入れる
- ⑥後から値上げしてもOKと思う
①自分のつけた金額に必ずプラスする
まず、自分のイラストをパッと見て「これなら〇〇円くらいで依頼してもらえるかな…」と思える金額を決めますよね。多くの場合、その金額は間違っています。
初心者イラストレーターは、ほとんどの人が自分の見積もりがものすごく低いのです。過小評価しがちです。
また、最初は「それで生活する」ことよりも「とりあえず依頼して貰う」ことを目標にしているので、確実にお金を支払ってもらえるような安価で出してしまいがちです。
なので、初めのうちは「自分が考えた適正価格に、必ず+〇〇円足す」という考え方で価格設定をするようにしましょう。
〇〇に入る金額は1000円~5000円ぐらいでOKです。
自分の考えた適正価格より高い値段で依頼を受けると、自信にもつながります。
②作業時間料+利用料で考える
価格を決めるときは、必ず自分の「作業時間料」を計算しましょう。
原価だけで考えていると、ちゃんと計算してみたら自分の作業料が時給400円程度だった…という事が普通に起きます。アルバイトをした方が稼げます。
デジタルで絵を描いている場合は、初めにPCやタブレット、制作ソフトを用意した後であれば、その都度で払うものがないため(Adobe CCなど月額料金がかかるものもありますが)
「無料で描けている」という錯覚に陥ることもあります。
ですが、絵を描く材料費(パソコンやタブレットや周辺機器代)がかかっていることを忘れないでください。
更に、イラストが上手く描けるようになるまでに費やしてきた時間もあります。
分かりやすくその事をツイートしていたものがあったので張っておきます。
原価の話でよく思い出すのは、
「お前、イラストレーターだろ?タダでちょっと挿絵描いてよ」
「嫌です。あなたが一からデッサンを習って美術学校へ通って卒業して描けばいい」
「なんだと!どれだけ時間と費用がかかると思ってんだ貴様!!」
ってよくできた話のやつです。 https://t.co/88gRmIZ4bd
— 田中泰延 (@hironobutnk) May 9, 2017
なので、あなたがそれだけ絵を描けるようになるまでに投資した時間や費用のこともちょっと考えてみてくださいね。
更に、作業時間だけではなく、制作したイラストを実際に何に使うかを考えて金額を決める事も大切です。
ソシャゲのイラストなのであれば、利用用途が簡単ですが、ポスターであったり紙媒体に使われるイラストであれば、そちらも考慮した値段設定をするようにしましょう。
参考になるツイートをしていた方がいたのでこちらも載せておきます。
もしイラストレーションの制作費を時給換算という考えだけで決めちゃうと、えらいこっちゃですよね。 pic.twitter.com/t2LY1yclXh
— サタケシュンスケ|イラストレーター(20年2月個展 東京浅草) (@satakeshunsuke) March 9, 2019
③必ず税抜き価格で提示する
値段を決める際には、必ず税抜き価格で提示するようにしましょう。
イラストの仕事をした事がある人なら分かると思いますが、報酬をもらった後、その金額から源泉徴収と呼ばれる金額が報酬額の10.21%引かれてしまいます。
なので、必ず税抜き価格で提示することで、消費税10%でほぼ相殺されるので、少し得します。
チリツモなので、必ず税抜き価格で提示するようにしましょう。
④自分の作業時間をおおまかにでも把握する
あなたは趣味でもイラストを描いている方だと思いますが、
1枚のイラストを何時間で描いているか分かりますか?
この時間をおおよそで良いので、必ず把握しておくと後々便利です。
時間の計測の仕方は主に2種類あります。
- ストップウォッチで時間を計算しながら制作
- 画面キャプチャーを使って動画で残す
1.ストップウォッチで時間を計算しながら制作
制作フォルダにテキストを用意して、イラスト制作を途中で中断させた場合はストップウォッチを止めて経過した時間を記入して、次に作業を始めた時にまたストップウォッチで時間を図り始める方法で完成まで続けていく感じですね。
2.画面キャプチャーを使って動画で残す
他には制作している画面をキャプチャーし続けて、作業を中断する時にキャプチャーも止める方法です。
動画として残るので、テキストなどに時間を残す手間がなくなりますし、動画を取っているので単純にサボらなくなります。
私の場合は、おおよそ10時間で1枚キャラクターイラストが出来る感じです。
背景などが追加されると20時間ぐらいに増えますね。
そういった風に、おおよその自分がイラストを完成させるまでの時間を把握しておくようにしましょう。
時間を把握する事で、作業時間の時給計算も容易にできますし、依頼されたイラストがどれぐらいの時間で作れるのかもおおよそ分かってきます。
⑤修正時間分を最初から入れる
イラスト制作の仕事の場合、90%ぐらい修正が入ってきます。
なので、初めから修正時間も想定して値段設定をしておきましょう。
修正というより、要望に近いので、大抵は1回のやり取りで作業時間も1,2時間で終わるものが殆どです。
⑥後から値上げしてもOKと思う
値段をつける時にものすごく悩んでしまうのは、「もう後から変えることはできない」と思うからです。
確かに、一度安く売った商品を後から値上げして売るのはたやすい事ではありません。それでも、「後から値上げしてもOK」という気持ちは持って値段相場を決めましょう。
短いスパンで何度もコロコロと金額を変えるのは良くないですが、何年かやってきてあなた自身が「スキルが上がったな」と感じた場合に料金を上げればいいです。
また、実際にやってみて「思ったより大変なイラスト仕事だった、見積もりが甘かった」ということもあるでしょうから、そういう時は、次に同じような仕事がきたら値段を変えてもいいのです。
ただし、同じ依頼主の場合は「なぜ金額を上げるのか」という理由を明確に説明できなければなりません。
「大変で時間がかかったから」という理由ではなく「こういう指示がありますので、こういう金額にします」と説明できるようにしておきましょう。
実際にイラスト制作の仕事を貰う方法
イラスト制作の値段相場の付け方が分かったところで、実際にイラスト制作の仕事を貰ってみましょう。
過去記事にイラスト制作の仕事を貰う手順を解説した記事があるのでそちらからやり方は確認してください。
≫イラスト制作のご依頼(仕事)を貰う手順を8stepに分けて解説!
イラストの値段相場を上げる方法は2つしかない
イラストの値段相場を決めるコツを解説しましたが、具体的に値段相場を上げる方法を書いていきたいと思います。
イラスト制作の値段相場を決める要素は2しかない
それは以下になります。
- ①イラスト制作のスキル
- ②知名度
①イラスト制作のスキル
これは大前提の話ですが、イラスト制作のスキルが一定以上ないとそもそもイラスト制作の依頼が来ません。
なので、単純にイラスト制作のスキルを上げる事で単価を上げる事が出来ます。
こればかりは描いて描いてスキルを上達させていくしかないので、頑張るしかありませんが、間違った練習方法をして描いているだけじゃダメです。
正しい練習方法をしてスキルを上げていかなくてはいけません。
イラスト制作の練習手順をまとめた記事を用意しているので、そちらを参考にイラスト制作のスキルを向上させてくださいね。
≫可愛い女の子のイラスト制作のコツから初心者向けの練習手順を解説!
≫パルミーで神絵師に!評判・口コミ調査!実際に入会した人の体験談!
②知名度
これは主にTwitter、pixivでの知名度になります。
イラスト制作のクライアントはTwitterやpixivでのブランドを意識する傾向が高く、それぞれのフォロワーの数が多ければ多いほど、イラスト制作の単価も高くなってきます。
フォロワーが多いとその数だけ”宣伝してくれる”わけですから、依頼と同時に広告効果も見込めるようになります。
広告費+イラスト制作費用が同時に報酬として貰える感覚に近いですね。
なので、イラスト制作の単価を上げる為にTwitterやPixivの運用をガチで行っていくべきです。
また、あなたのイラストの知名度が増えてきたら個人でも稼げるようになっていきます。
過去記事に個人でイラストで稼ぐ方法とTwitter運用についてまとめているので参考にしてみてください。
≫イラスト制作で稼ぐ事が出来るサイト9選を紹介!【絵描き必見です】
まとめ:地道な作業が実を結ぶ
今回はイラスト制作の値段相場について決める方法を上げる方法について解説していきました。
イラスト制作も地道な作業ですし、イラスト制作の値段相場を上げるにも地道な作業の連続です。
小さな作業が大きな成果へと繋がっていきますので、面倒くさがらずにコツコツと積み重ねていきましょう。
それでは。